トマトを切ったときに、
「外は赤いのに中が緑っぽい」
「これってまだ未熟?食べられるの?」
と不安になることはありますよね。
結論からいうと、トマトの中が少し緑でも、すぐに食べられないとは限りません。 トマトは熟し方にムラが出ることがあり、果実の一部が黄緑色のまま残る「着色不良果」が起きることもあります。農研機構の研究報告でも、トマトの肩の部位が黄色や黄緑色に変色する着色不良があると説明されています。
ただし、明らかに未熟で青いトマトは注意が必要です。食品安全委員会の資料では、トマトには「トマチン」という成分があり、野生種や大昔のトマトでは中毒を起こすものとして紹介されています。また、現在流通している品種ではその生成が少なくなっているという説明もあります。
この記事では、トマトの中が緑のときに食べられるケースと、食べないほうがいいケースをわかりやすく解説します。
トマトの中が緑なのはなぜ?
トマトの中が緑っぽく見える原因はいくつかあります。
ひとつは、まだ完熟していないことです。カゴメの解説でも、未熟なトマトは追熟で赤くなると案内されています。
もうひとつは、熟し方にムラがあることです。農研機構の報告では、トマトは栽培環境の影響で一部が黄色や黄緑色のまま残る「着色不良果」になることがあるとされています。特に高温条件では、赤い色素であるリコペンの生合成が抑えられることがあると説明されています。
つまり、中が緑だからといって、必ず腐っているわけではなく、未熟または色づきにムラがあるだけのこともあるということです。
中が緑でも食べられる可能性がある状態
次のような状態なら、トマトは食べられる可能性があります。
- 外側はほぼ赤く熟している
- 中心近くに少し緑が残っているだけ
- 異臭がしない
- ぶよぶよしていない
- カビや汁漏れがない
トマトは追熟する野菜で、緑熟果として扱われる段階もあります。農林水産省近畿農政局の資料でも、トマトの「緑熟果」という区分が示されています。
また、現在流通している品種については、食品安全委員会関連資料で、昔や野生種に比べてトマチンの生成が少なく、青い状態でもほぼ熟した段階なら大きな問題になりにくいという趣旨の説明があります。
食べないほうがいいトマトの特徴
一方で、次のような状態なら食べないほうが安全です。
全体的に青く、明らかに未熟
外も中もかなり緑で、硬く、まだ熟していないトマトは避けたほうが無難です。未熟果にはトマチンが含まれるためです。食品安全委員会の資料では、トマトとトマチンの組み合わせが示されています。
異臭がする
酸っぱいにおいや腐ったようなにおいがある場合は、未熟というより傷みの可能性があります。見た目だけでなく、においも大事な判断材料です。これは一般的な食品衛生上の判断です。
ぶよぶよしている、汁が出ている
やわらかすぎる、崩れる、水っぽく汁が出ているような状態なら、鮮度低下や腐敗を疑ったほうが安全です。
カビがある
切った断面やヘタまわりにカビが見えるものは食べないようにしましょう。カビがある場合は部分的に見えていても全体への影響を否定しにくいです。これは食品安全上の基本的な考え方です。
未熟な緑のトマトは危険?
ここは少しややこしいポイントです。
未熟な緑のトマトにはトマチンが含まれますが、現在流通している品種は昔や野生種より少ないとされています。食品安全委員会の資料では、野生種や古いトマトにはトマチンが含まれていたこと、現在の商品化されているトマトでは育種で低減化されていることが示されています。
そのため、少し緑が残っている程度なら過度に心配しすぎなくてもよい一方で、明らかに未熟な青いトマトを大量に生で食べるのは避けたほうが無難です。これは上記資料からの安全寄りの実務的な判断です。
中が緑のトマトは追熟できる?
未熟なトマトなら、追熟できることがあります。
カゴメは、熟していないトマトはエチレンの働きで赤くなり、りんごと一緒に保存する方法も紹介しています。
すぐに食べるのが不安なら、数日置いて様子を見るのもひとつの方法です。
ただし、すでに切ってしまったトマトは追熟より鮮度低下のほうが気になるので、切ったあとは早めに使い切るほうが安心です。追熟の説明自体は未カットの果実についての案内です。
見分けるポイント
トマトの中が緑のときは、色だけで判断しないことが大切です。
次の順番で見ると判断しやすいです。
- 外側はどのくらい赤いか
- 中の緑が一部だけか、全体か
- においに異常はないか
- 硬すぎないか、逆に傷んでやわらかすぎないか
- カビや汁漏れはないか
少し緑が残る程度で、においも見た目も正常なら食べられることがあります。
逆に、全体が青い未熟果や、傷みのサインがあるものは避けるのが安全です。
まとめ
トマトの中が緑でも、少しなら食べられることがあります。 熟し方のムラや着色不良で、内部に黄緑色が残ることがあるためです。
ただし、次のような場合は注意しましょう。
- 全体的に青く未熟
- 異臭がする
- ぶよぶよしている
- 汁が出ている
- カビがある
現在流通しているトマトは、野生種や昔のトマトに比べてトマチンが少ないとされていますが、明らかに未熟な緑色のトマトは食べすぎないほうが安心です。
判断に迷ったら、色だけでなく、熟し具合・におい・傷みの有無を合わせて確認するようにしましょう。