柿を食べたときに「渋い…これって当たりなの?ハズレなの?」と気になることがありますよね。
結論からいうと、渋い柿は“当たり”というより、渋みが残っている状態です。柿の渋みの原因は水溶性タンニンで、これが口の中で溶けると渋く感じます。甘柿は成熟の過程でこのタンニンが不溶性に変わるため渋みがなくなりますが、渋柿はそのままでは渋みが残ります。渋柿はアルコールや炭酸ガスでの渋抜き、または干し柿にすることで甘く食べられます。
つまり、柿が渋いのは「甘くて大当たり」ではなく、まだ渋みが抜けていない、あるいはもともと渋柿系の可能性があるということです。
柿が渋いのはなぜ?
柿の渋みの正体は、水溶性タンニンです。これが舌のたんぱく質と結びつくことで、口の中にキュッとした渋さを感じます。農林水産省と農研機構は、甘柿でも幼果の時期には渋みがあり、収穫に近づくにつれてタンニンが不溶化して渋みがなくなると説明しています。
一方で、渋柿は熟しても水溶性タンニンが残りやすいため、そのままだと渋く感じます。だから、渋柿は渋抜きを前提に出回ることがあります。
「渋い柿は当たり」と言われるのはなぜ?
ここで言う「当たり」は、実際には少し誤解を含む表現です。
柿には、完全甘柿だけでなく、不完全甘柿のように種の有無などで渋みの抜け方が変わるタイプがあります。農研機構は、不完全甘ガキでは種子から発生する成分の影響でタンニンが凝固し、渋みが抜ける仕組みを説明しています。果肉に「ごま」と呼ばれる黒っぽい斑点が入ることがあり、これを食べ頃のサインとして扱う品種もあります。
このため、「見た目が黒っぽいごま入りの柿は当たり」「渋そうでも実は甘いことがある」という意味で使われることはあります。ですが、実際に食べて渋いなら、その時点では当たりではなく渋みが残っている状態と考えるのが自然です。
甘柿なのに渋いことはある?
あります。農林水産省によると、甘柿ももともとは渋みを持っています。通常は成熟とともに渋みが抜けますが、状態によっては渋みが少し残ることがあります。
また、柿には甘渋の性質によっていくつかのタイプがあり、見た目だけで完全に判断するのは難しいことがあります。特に種の有無で味が変わるタイプでは、同じ品種でも個体差が出ることがあります。これは農研機構の不完全甘ガキに関する説明から分かります。
渋い柿は食べられる?
食べること自体はできますが、かなり食べにくいです。渋みは腐敗ではなくタンニンによる性質なので、すぐに傷んでいるとは限りません。
ただし、渋柿をそのまま無理して食べるより、渋抜きしてから食べるほうが現実的です。農林水産省や東北農政局は、アルコールや炭酸ガスによる渋抜き、干し柿にする方法で渋みが抜けると案内しています。
渋い柿を甘くする方法は?
渋い柿をおいしく食べたいなら、代表的なのは次の方法です。
アルコールで渋抜きする
渋柿は、アルコール処理によって果実内でアセトアルデヒドが生じ、タンニンが不溶化して渋みが抜けます。
炭酸ガスで渋抜きする
農林水産省でも、炭酸ガスを使った渋抜きが紹介されています。市販の渋柿は、この処理をして甘くしていることがあります。
干し柿にする
干し柿でも渋みは抜けます。東北農政局も、干し柿にすることでタンニンが不溶性に変わり甘くなると説明しています。
渋い柿はハズレ?
食べる側からすると、そのまま食べて渋かった時点でハズレと感じやすいです。ですが、果実として異常というより、品種や渋抜きの状態の問題であることが多いです。
特に渋柿は、渋抜きして初めておいしくなる前提の果物です。なので「渋い=失敗作」とは限りません。むしろ、適切に処理すれば甘く食べられる柿です。
こんな柿は「当たり」と考えやすい
本当に「当たり」と言いやすいのは、次のような柿です。
- しっかり甘い
- 渋みがない
- 果肉に適度な食べ頃サインがある
- 品種に合った状態で熟している
農林水産省の広報資料では、たとえば禅寺丸のように果肉にごま状の斑点が入ると食べ頃の品種も紹介されています。
まとめ
柿が渋いのは、水溶性タンニンが残っているからです。甘柿は成熟で渋みが抜けますが、渋柿はそのままだと渋く、アルコールや炭酸ガスでの渋抜き、または干し柿にすることで甘く食べられます。
そのため、「渋い柿=当たり」ではありません。
実際に渋いなら、当たりというよりまだ食べ頃ではない、または渋抜き前と考えるのが分かりやすいです。
迷ったら、こう覚えておくと判断しやすいです。
- 渋い原因はタンニン
- 甘柿でも条件によって渋みが残ることがある
- 渋柿は渋抜き前だと渋い
- 本当の「当たり」は、ちゃんと甘くておいしい柿